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パパの子育て

vol.8

何をやっても楽しさを見つける中村さん親子

今回訪れたのは各メディアでもおなじみの料理研究家・中村さん。
食に関わることはもちろん、プロの作曲家としても高いソングライティング能力が買われ、県内各地の学校の音楽を数多く手がけています。家では二男三女の良きパパであり、末っ子の聡志くんと一番上のお姉ちゃんは20歳近く離れているため、中村さんは「上の子たちにいろんな形で助けてもらっています」とも。なお、今回はオンラインでの取材を行いました。
※写真はすべて中村さん提供

料理も洗濯も楽しいから始まる

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ご家庭でも料理を作られているのですか?

「毎日何か作ってますよね。妻も料理が大好きで、家の子たちが自然と料理が好きになったのはすごくうれしいことでした。妻も働いてますから、僕が夕方早く家に帰ると、その間に作ったりとか。とにかく今はできる方がやるという感じですね」

料理研究家の仕事を始めたのがきっかけですか?

「はい。それまでキッチン用品販売の代理店をしていたこともあり、家で料理の試作をすることが増えましたからね。料理に関する仕事をするうえで、結局、毎日何かをするって大事なことなんですよ。自分の勘を高めるには絶対必要なことで、それはもう当たり前になりました」

それは料理だけにかぎらず?

「家事も大好きです。幼稚園の頃からカギっ子だったんですけど、母が仕事で各地を飛び回っている人だったので家の中が片付いてなかったんですよ。子ども心に、これは誰かがしないとお母さんが大変だと見よう見まねで始めました。幼稚園の頃から火を使って料理してましたし、洗濯物のシワが恥ずかしいのでアイロンがけも。そしたら長袖のシャツは袖を引っ張ってかけたほうがきれいになるとか、裏からの方がかけやすい、シワになりにくいという、いろんな発見があって。それが面白いと思えたんですね。結局、初めてのことを誰かに教えてもらうでもなく、やりなさいと言われるでもなく、始めるといろんな発見があるんですよ。それがすごく楽しいと思えるようになって。今でもそれが自分のルーツだと思っています。何をやっても楽しさを見つけるのが、自分らしいところかな」

中村さんが自身のFacebookに綴っていた「料理も洗濯も楽しいから始まっている」に、つながる言葉ですよね。

「そうですね。大人になっていろいろするようになった時に、よりいっそういろんな発見が、たとえばここをこうしたらよりおいしくなるとか、いっぱいあるわけですよね。そしたらどこまでも楽しいものになるので、苦になることがまったくないんですよ」

新米パパがそれを実践するためのアドバイスなどがあれば教えてください。

「洗濯の干し方とか、料理の段取りとか、マイルールがそれぞれにありますよね。ご主人が料理をやってみようかなという時に奥さんのルールを言われると、もしかしたら嫌になるかもしれないので(笑)、そこはあたたかく見守っていただいて。あと、作る側が楽しくなるきっかけは、頑張りすぎないことだと思うんですよ。最初からハードル高いものを作らなくとも、こんなの作ったらみんなが喜びそうだなと思う簡単なものから始めれば。それで家族がこれおいしいね、パパすごいねと言ってくれたら、すごくうれしくなってどんどん前向きになるのかなと」

家事を役割分担することが大事

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お子さんに接するうえで心がけていることは?

「末っ子の存在がすごく大きくて、いろんなことに気づかせてくれたというか、おもしろい(笑)。たとえば、保育園に入った時は晴れていても長靴を履きたがっていたんですよ。たぶん20年前の自分だったら、それは雨の時に履くものだよと言ったと思うんです。でも、その時はいいよみたいな感じで何も言わなかったんですよ。しばらくして本人から長靴は雨の日にすると言って、普通の靴を履くようになったんですね。それはなんで? と聞いたら、普通の靴の方が走りやすいと。大人として今まで言ってきたのはある意味結論でしかなく、子どもたちは経験して自分で気がつく。その、気づくまでの時間が楽しいと思えるようになりました」

中村さんがFacebookで言っていた「分かち合う」は子育てのキーワードになると思うのですが?

「役割を分担するという言い方が多いですけど、最初はそこから始まると思うんですよ。子どもたちが最初にお手伝いする時もそうで、だんだんいろんなことができるようになると、それがシェアできるように変わっていきますよね。夫婦でも家族でもそうですけど、ごはんを作るのも洗濯するのも、その時にできる人がやる。夫婦にたとえるとやらなければいけないことを半分ずつにする必要は全然なくて、今日は30%しかできませんと言われたら、こちらは70%やるよと。その逆もあったりとか、常に変化している。そう思えるようになったらすごくラクですよね」

子育てのポリシーはどういうものですか?

「自分や妻のなかにあるのは先々どんな形でもいいから、世の中の役に立つようにというのが一番ですね。それ以上のことはあんまり。人に迷惑かけないことと、人や世の中の役に立つ。そういう人になってくれたらという想いだけです」

食卓は家族みんなが幸せになれる場所

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育児や家事に踏み出せないパパにアドバイスするとしたら?

「家事のなかの食事の行程を分解すると、まずは何にしようと献立を立てることから始まり、片付けするまでに大きく分けても6つくらいの仕事があるんですよ。ということはそれを一人で毎日やってるとしたらものすごく大変なことで、一年間に1095回食事してるんですよ。それを誰かが一人で担っていたら、やりたくない気分の時もあると思うんです。じゃあ食事ってどういう場所かと言ったら、生きていく以上絶対しないと生きていけないわけですから、食べることは生きることそのものだと思うんですね。そしたら、外でつらいことがあったとしても、みんなでおいしく食べたりすると元気が出たりとかするように、食卓はみんなが笑顔になれる場所だと思うんですよ。家族でささやかな幸せを作っている場所にみんなで関わるということで、知らないうちにだんだんと大きなものに変わってくんじゃないかと思います」

どんな形でもいいから関わることが大事?

「はい。材料を買いに行くでもいいし、片付けをするでもいいし、自分ができそうなところからでいいと思うので。入り口が楽しいことが、その先がだんだん楽しくなってくる秘訣だと思いますので。おもしろいなと思ったらその先に興味が広がって、今度は料理やってみようかなという気持ちになるかもしれないですし」

子どもたちへの想い

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みなら特別支援学校のミュージカルの音楽も手がけていらっしゃいますよね。子どもたちに接していて思うことはありますか?

「支援学校の子どもたちと一緒にするようになってから、楽譜のなかにない音がいっぱい聴こえてくるんですよ。それがね、ものすごく心地がよくて、音楽を越えた音楽を教えてもらった気がするんですね。素直に表現することや、心のなかのものをありのままに表現することの素晴らしさを教えてもらうと同時に、上手に歌うとか上手にやることよりももっと大事なことがあると思ったんですね。うまいから人は感動するわけじゃないし、表現するためのスキルを磨く必要はあるんですけど、それが一番ではないですね。だからその部分は一番大切にしてますし、生徒たちにも言っています」

キャリアを積んだアーティストはみな、自分が気持ちいいポイントを見つけながら歌っているようなところがありますよね。

「結局そこですよね。音楽もそうだし、料理もそうだし、たぶんすべてに共通しているのだと思います。自分がやってることのなかに一番楽しいところがあると思うんですよ。ものすごく喜びを感じられるとか。がんばらなくても、ものすごくラクだったりとか。どこかに扉みたいなのがあって、それは簡単に見つからないかもしれないんですけど、見つけるまでの道程もすごく楽しいんだろうなと。そこから先っていうのはまた次元の違う世界が広がっているんでしょうね」

中村さんが中学生の時に思い描いていた「子どもたちのホームになりたい」は、実現しつつありますか?

「あの時の想いは当時想像したよりも、ずっとありがたい形で関わらせていただいています。学校に行って子どもたちといろんな形で関わるようになったりとか、音楽もいつの間にか再開していたり。支援学校のミュージカルというのは、自分が志していた福祉と音楽という全部がひとつになっているんですよ。だから夢っていうのはあの頃には想像もしなかった形で、もっと素敵な形でこうやって叶うんだっていう。今の子たちも好きなことを見つけたら、それをずっと好きでいてほしいというのが一番の願いですね。ずっと好きでいたらいつか必ず、自分が好きなことが誰かの笑顔につながったり、誰かの幸せの役に立つようになるんですよ。自分が好きなことで誰かが喜んでくれるなんて幸せなことじゃないですか。だから好きなことをしている子どもたちには、自分ができる精一杯の応援をしたいとは思いますね」

聡志くんの一言

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部活は何をやっているのですか?

「バスケットボール。八村塁選手が好きです」

家でのパパはどんな感じですか?

「普通に仕事をしていて、息抜きが家事と言ってました」

パパと一緒に料理を作ったりは?

「たまに。カレーとか」

パパの料理で好きなのは?

「プリンと『スマ』のユッケです」

スマですか。グルメですね。将来の夢はなんですか?

「ミシュランの審査員になること。料理に関わることをやってみたいです」

ありがとうございました。

聡志くんの夢はさすがと思えるもので、中村さんの「ウチのお姉ちゃんもみんな言うんですけど、ものすごく味覚が鋭いんですよ」というのも納得です。最後に同席された奥様に、家庭人としての中村さんはどうですか? と聞いたら「昔はホント家にいなくて、主人が仕事で出かけるたびに子どもたちは“また来てね”と言っていたんですよ。今は自然に家のことをいろいろやってくれるので助かっています」とのこと。中村さんが笑みを絶やさないのは、まぎれもなく家族のおかげですね。

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