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パパの子育て

vol.1

お弁当のお品書きに込められたパパの教え青野さん親子

今回訪れたのは新居浜市の青野さん。
一見、やさしそうな中年男性ですが、実は彼こそがインスタで話題の「弁当王子」なのです。娘さんのためにつくった手製のお弁当と、自筆の愛情あふれるお品書きを組み合わせた投稿は500以上。インスタのフォロワーは2000を超え、メディアからの取材も殺到しています。
そこで3年目を迎えたお弁当づくりのことや、娘さんである「なっちゃん」との関係について訊いてみました。

青野さん親子

パパPROFILE
  • 青野さん
  • 48歳、行政書士、眼鏡販売業(シングルファーザー歴14年)
  • 高校3年生の娘(次女)のパパ
  • Instagramアカウント@bento_ouji
もくじ

お弁当づくりを始めたきっかけ

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家ではどんなお父さんですか?

「ほったらかしです。報告とかはちゃんとしなさいと言ってるけど、基本的には本人の自主性に任せて、自分で善悪の判断もしなさいと」

もともと料理が好きだった?

「いえ、まったく。なっちゃんが入学した高校に食堂がなかったので、仕方なく始めたんですよ。食材も近所にある行きつけのスーパーで見かけたものを買っているだけで、冷凍食品や惣菜も使いますから。ただ、練り製品や冷凍食品は原産国をチェックして比較的安全なものを選んでいます」

得意料理は?

「特にはないですね。なっちゃんが小さい頃から、部活が休みで家にいる時は野菜を食べさせるために焼きそばを作るくらいですね。キャベツやキノコとかの野菜が山のように入っていて、麺がちょっと見えるくらいのシンプルな焼きそばです」

献立で参考にしているのは?

「スーパーで“今日はこれ”というのでつくり方の動画を流してるじゃないですか。ああいうのを見て参考にしてますね、あと、後輩が持ってきてくれたレバカツや近所のおばちゃんからもらったものをそのまま入れています」

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なっちゃんはいつも完食ですか?

「うん。でも、器は自分で洗わせています。洗ってなかったらお弁当はなし、ですから」

なっちゃんからお弁当にクレームがついたことは?

「一度、面白がって枝豆を山ほど入れた時は“二度と見たくない”と言われました。ちょうどテニスのウィンブルドンが開催されていた頃で、当時は四角いお弁当箱だったんですよ。テニスコートに見立てた枝豆を敷き詰めて、チーズでラインを引いた『ウィンブル丼』。なっちゃんからは今でも“最低のお弁当”と言われます」

逆に最高と言われたお弁当は?

「うな重そのまま持って行った時ですね(笑)。料亭とかで土用の丑の日に持ち帰りで売っているものです」

なっちゃんからの反応で一番うれしかった言葉は?

「普段から僕はうれしいですよ。父親が作ったお弁当を嫌がらずに持って行ってくれてみんなの前で堂々と食べてくれて、変なお品書きが付いていても嫌がらずにみんなの前で堂々と開いてくれる。お弁当とお品書きを一緒に楽しんでくれているのがすごいなぁと思います」

お弁当に欠かせないお品書き

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お弁当に手紙のようなお品書きをしたためるようになったきっかけは??

「初回だけお品書きがないんですよ。で、2日目に、お弁当だけじゃつまらんなと思って始めました。最初はなんもできんから変な卵焼きと変な冷凍食品を詰め込むしかできなくて、何が入ってるかもわからない。そういうことを友だちと飲みながら話してたら、居酒屋みたいにお品書きつけたら面白いねという話になって。それで試しに書いてみただけです」

文字がエネルギーと愛情に満ちあふれていますけど、どこかで習ったんですか?

「いいえ。あれも書いてるうちになんとなく上手くなったと言ったら変だけど、昔とくらべりゃ見やすくなったとは思いますね。まぁ、毎朝書いてりゃ」

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下書きしてから書くんですか?

「A4のコピー用紙に普通の筆ペンで書いているんですけど、書き直しはしないと決めてるんです。間違えたら黒で塗りつぶすようにしていて、一枚書くのに3分くらいしかかからない」

書き直ししないという潔さが、文字の力強さにつながっているような気がするんですけど?

「ただ、毎日書いてると書くネタがない日もあるから、朝、テレビで見たもんを書いたりなんかして(笑)」

自分のことがほとんどですよね?

「普段はなっちゃんの部活が忙しくて、会話する時間が少ないんですよ。何してるかわからないから、書くことがないんです。普段家にいる時は会話もするんですけど。互いの時間が違いますからね」

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お品書きを通してなっちゃんに伝えたいことは?

「結果として、お品書きを書くことはある種の教育と言うとえらそうなんですけど、言葉だけだと形には残らないですよね。お品書きは形に残ってるから、こちらの責任もあるしね。何か約束したことについて“覚えてないの?”とあれを突きつけられたら、たしかに僕が言いました書きましたというふうになるし。お品書きには自分が教えたいことを散りばめてるとは思いますね」

お品書きはなっちゃんが保管しているんですか?

「持って帰って引き出しに全部入れてるみたいですね」

文章書くのってある意味自分を見つめ直すことでもあると思うんですけど、そこで見えてきた自分は?

「自分が何か間違えたり失敗したり、なっちゃんに言い過ぎたりした時は素直に反省してると思うんですよ。そういう点でお弁当を作るのは、いい時間なんかなとは思いますけどね」

いつかのインスタに、お弁当作る時間がかぎられてきましたみたいなことを書かれていましたよね。なっちゃんが市外の学校に進学すると同時にお弁当づくりも終わるわけですが、その日が来るのが怖いですか?

「考えてみたら怖いけど、今は考えないようにしています(笑)」

弁当王子流子育て論

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お子さんとのコミュニケーションに悩んでいる人たちにアドバイスするなら?

「ウチは親が僕一人なので、娘と直接のやりとりになるわけですよ。お品書きは手紙形式だけど、普段の会話にしてもこれをやっていいかどうかは直接やりとりすることで、すべてが一対一で決まるんですよ。それってすごくいいことで、お父さんお母さんが揃ってるとそれができないこともある。たとえば、両親のどちらかに最終権限があるとして、本人には面と向かって言いにくいから、もう一方の親を介して言ってきたり。そうなると必ず物事がゆがむんですね。最終権限のある親と子どもの関係性も同様です。だから全部真正面がいいと思う。そのうえで、物事を決めるのは子どもで、善悪の判断は親がするというのが一番ベストだと思います」

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青野さんのお宅では、お弁当とお品書きがコミュニケーションを取るための手段になっていますよね。

「僕は“お弁当作っていてすごいね”と言われますけど、普通のお母さんはみんなやってますからね。手紙はよく続いたな、自分でも大したもんだと思うからあれはいいですね。で、母親っていつもお弁当作って当たり前に子どもから弁当箱を返される。だけど僕の場合は、お品書きに今日は帰ったら感想訊くよと書いた時に“今日のおいしかったよ”と言ってくれたらそれだけで会話になる。まず1個は共通の話題になる。それはいいと思う。だから怒ることはあっても、一回も喧嘩したことはなでいすね。パパの洗濯ものと一緒に洗わないでみたいなことを言われたこともないですね。言われたとしても、それが嫌なら出ていけと言いますけど(笑)」

なるほど。

「お弁当とお品書きがあることで僕が得したことはいっぱいあって、みんなが“なっちゃん部活の大会があったんやね”とか“なっちゃん頑張りよる?”と、声かけてくれるのはもちろんのこと、なっちゃんの友だちが“この間のお弁当おいしそうだった。私にも作って”とか。そんなんもあるし。みんなと話すきっかけがあるというのはすごいプラスだと思う。なんかインスタを見てる人みんなで、なっちゃんを育てている気分になってくれてる感じはありますね」

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なっちゃんはパパに感謝しているし、パパも“お弁当とお品書きを一緒に楽しんでくれているのがすごいなぁ”と言える。ホント、いい関係を築いてますよね。

「そこはそうしなさいと一言も言わんかったからね。なっちゃんはすごいよ。あれは大物になる(※と、うなずく)。部活でもそこそこ活躍してたし、テレビ慣れしてる。昨年も『愛媛県総合文化祭総合フェスティバル』の総合司会をやったんですよ。3年前に僕とお姉ちゃん(県外の大学に通う長女)となっちゃんで『NHKのど自慢』に出て、客席のおばあちゃんに呼びかけることも堂々とやってのけて、そのおかげで審査員特別賞をもらいました(笑)」

なっちゃんの一言

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なっちゃんが進学で市外に出ると、パパの弁当が食べられなくなりますね?

「私はそれほどでもないけど、パパはさみしいんじゃないかな」

最近の周囲の盛り上がりはどう感じている?

「パパは人脈が多いので広まるとは思っていました。友人からも反響がありましたね」

ありがとうございました!

なっちゃんはいきなりの取材にもかかわらず自然体で、ツーショット撮影で照れ気味のパパを横目に余裕の表情でした。お弁当とお品書きについては「最初は恥ずかしかったけど、今では当たり前の感覚」だそうですが、パパへのメッセージを訊いた時の「これからもよろしくお願いします」という言葉からは、良好な親子関係がうかがえました。そして、荒ぶる文字に込められたパパの教えは、なっちゃんの人生にも役立つことでしょう。

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