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専門家のアドバイス
■妊娠1か月(0~3週)
卵管にたどり着いた精子の中から、たった1つが卵子の細胞膜を破って中に入り、その瞬間に受精が成立します。これが受精卵です。受精卵は細胞分裂を繰り返しながら子宮へと運ばれ受精から7日目ぐらいに子宮内膜に着床します。妊娠したという自覚症状はまだみられません。超音波検査は産婦人科の聴診器と呼ばれています。卵巣や子宮の中の様子を詳しく観察することができ、妊娠の確定診断を行い、妊婦健診で使用されます。
■妊娠2か月(4~7週)
妊娠6週くらいになると赤ちゃんの心臓の動き(胎児心拍)が超音波検査で確認できるようになります。胎児心拍がきちんと確認でき、赤ちゃんが育っているとわかります。妊娠7週くらいには、2等身になり内臓の臓器ができてきます。脳や脊髄の神経細胞の80%が作られて急速に発達します。妊娠7週末くらいになると子宮の大きさが鶏卵の1.5倍になり、母体に様々な兆侯が現れます。月経が止まり基礎体温は高温が続きます。便秘と眠気が強くなり(早い人は4週頃)つわりが始まります。産婦人科を受診しましょう。月経周期が28日と規則的な人の場合、月経が4~5日あるいは1週間遅れたころに市販の妊娠検査薬で検査すると妊娠かどうかが分かります。
■妊娠3か月(8~11週)
内臓の各器官がほぼ完成してきて、それぞれに働きはじめます。血液が体内を循環しはじめ、心臓の拍動はかなりはっきりしてきます。また、赤ちゃんの腎臓で尿が作られ羊水の中に排泄されます。赤ちゃんは羊水の中で活発に体を動かし、11週頃には両足を交互に出して歩いているような動作をします。この頃の出血・下腹部痛には注意が必要です。妊娠3か月では胎盤はまだ未完成であるため、流産の心配もあります。出血や下腹部痛がすべて流産の症状とは限りませんが、すぐに診察を受けましょう。
■妊娠5か月(16~19週)
赤ちゃんの頭の大きさは鶏の卵くらい、3頭身になります。皮下脂肪もつき少しふっくらしてきます。皮膚は徐々に赤みがつき、全身に産毛が生えてきます。赤ちゃんは体が一回転するくらいよく動き、ママは胎動として感じるようになります。両親学級に参加してみましょう。沐浴や妊婦擬似体験など、夫婦で出産・育児に取り組む大切さを学べます。同じ時期に出産を迎える妊婦が集まるので、ママ友を作るいい機会になります。
■妊娠7か月(24~27週)
この時期、かなり敏感に光の明暗を感じるようになります。上下のまぶたが分かれ鼻の穴も開通してきます。聴覚はさらに発達します。母体の腹壁が薄くなってきたことも加わり、外界の音が赤ちゃんに届きやすくなります。ママの声のリズム・血管を流れる血液の音・聞き慣れた音は体内で記憶しています。泣いている時にこの音を聞くと赤ちゃんは安心します。妊娠中毒症に注意しましょう。妊娠中毒症の主な症状に、むくみ・高血圧・タンパク尿があります。予防するためには栄養バランスのよい食事をとり、太り過ぎにつながる過食に注意しましょう。
■妊娠8か月(28~31週)
妊娠28週からは妊娠後期になります。赤ちゃんの内臓の形や機能はほぼ大人に近い状態になります。この時期から妊婦健診は2週間に1回になります。出産準備をしましょう。急なお産に備えて、入院に必要なものは身近な場所に準備しましょう。連絡方法・出産施設までの交通手段・入院中の家事のことなど夫婦で話し合っておきましょう。
■妊娠9か月(32~35週)
赤ちゃんの体は皮下脂肪がついて丸みをおび、顔もふっくらしてきます。また、内性器・外性器ともに完成します。妊娠30週には、ほとんどの赤ちゃんは頭が下になる頭位の姿勢に落ち着きます。さかごの診断がついたら、お産の対策について検討する時期です。胎動は赤ちゃんから「元気だよ!」と知らせる便り。赤ちゃんは約20分おきに眠ったり起きたりしています。他の人がおなかを触ったときでも胎動を感じられるようになります。元気のいい赤ちゃんに蹴られると、痛いと感じるときもあります。
■妊娠10か月(36~39週)
内臓の動きも含めて、外界の生活に十分対応できるまでに成熟してきます。妊娠36週頃、赤ちゃんのすい臓の働きが成熟してインスリンを分泌しはじめます。この時期に、たくさん食べて高血糖になるとインスリンの分泌を過剰にし赤ちゃんが一気に太る可能性があります。赤ちゃんが大きくなり過ぎると難産になる恐れがあるため、くれぐれも過食には注意しましょう。赤ちゃんは生まれる直前まで動いています。胎動がいつもと違う感じがしたり、ピタッと動かなくなったようなときは、すぐに診察を受けましょう。
妊娠1か月~9か月までのあかちゃんはどのようになっていますか?