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専門家のアドバイス
「糖尿病」には、大きく4種類あり、「妊娠糖尿病」はそのうちの一つです。厳密には「妊娠糖代謝異常」と呼ぶべきなのですが、糖尿病として広まっており、妊娠期に血糖値が高めの状態が続いた場合を「妊娠糖尿病」と呼んでいます。
「糖代謝異常」というのは、名前が示すように糖の代謝がうまくいっていない状態を意味し、①血糖値が「糖尿病」という程までには高くないけれど本当に健康な人に比べるとわずかに高めの状態。②見かけ上の血糖値は正常だけれど、膵臓でつくられるインスリンというホルモン(血糖値を下げる)が出過ぎている状態。これらを糖代謝異常と呼びます。
「妊娠糖尿病」は、最近の研究から、母体の妊娠期のわずかな血糖値の上昇があかちゃんや母体に大きな負荷をかけることが明らかになってきました。糖尿病の診断基準よりも妊娠糖尿病の診断基準が厳しい理由は、大切なあかちゃんと母親(母体)を守るためです。
健康な人と大差のない妊娠糖尿病を早期発見・予防するため には、精度の高い検査が必要になります。現時点で最も有効だとされる検査方法が「糖負荷試験」です。これは、絶食後に炭酸ジュースを飲む前、飲んで1時間後、2時間後と合計3回にわたって血糖とインスリンを測定する検査です。
糖代謝異常の場合、血糖値はまだ上がっていないもののインスリンがたくさん出ることで見かけ上の血糖値が正常に出ることがあります。糖負荷検査を行えば、血糖値が上昇する前の段階で、インスリンの出過ぎに気づくことができるのです。
妊娠糖尿病を予防するのは、血糖値が上がってからでは遅すぎるといえます。自分のため、生まれ来る子どものために、ぜひ一度「糖負荷試験」を受けられてはいかがでしょうか。
妊娠糖尿病の早期発見と予防はありますか?