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相談事例集

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最終更新日:2024年8月22日
相談者

アレルギーを起こさない安全な食べ物はありますか?
食物アレルギーの症状や診断・治療の方法はどのようなものがありますか?

専門家のアドバイス

監修聖カタリナ大学 保育学科 准教授仲野 由香利

たんぱく質を含む食べ物は、何でもアレルギーを起こす可能性がありますが、赤ちゃんがアレルギーを起こしやすい食べ物は、卵、牛乳、小麦、大豆です。
これらは、アトピーの素因のない子どもにとっては、栄養もあり安全な食物です。
アレルギーが起きにくいのは、米、野菜、魚などです。
添加物の多い加工品は避けて、なるべく素材から調理するようにしましょう。

食物アレルギーは、「原因食物を摂取した後に免疫学的機序(しくみ)を介して生体にとって不利益な症状(皮膚、粘膜、消化器、呼吸器、アナフィラキシー反応など)が惹起(じゃっき=ひきおこす) される現象」と定義され、さらに、「IgE依存性反応」と「IgE非依存性反応」に分類されます。

①IgE依存性のⅠ型アレルギー反応・・・食物摂取後60分以内にじんま疹やアナフィラキシーなどの即時型症状を示し、乳幼児では、鶏卵・牛乳・小麦・そば・魚卵などが原因となることが多く、学童から成人では、エビ・カニなどの甲殻類・魚・小麦・果物・そば・ピーナッツなどが原因となります。

②IgE非依存性反応・・・IgE以外の免疫グロブリンや補体、細胞性免疫などが関係していると推測され、原因食物摂取後、数時間~数日後に主に湿疹や下痢などの症状があらわれます。これには、育児用ミルクが原因となる「新生児消化器症状」や、鶏卵・牛乳・小麦・大豆などが原因となる「食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎」の一部が含まれます。

診断は、プリックテスト(皮膚試験)や血液検査を参考に、推定された食物を2週間完全除去して症状の軽快を確認する除去試験と、症状軽快後に推定された食物を口から食べさせて症状の悪化を確認する「食物負荷試験」によって行います。

乳児期の食物アレルギーは、成長とともに自然に改善することが多く、従来は「食物除去療法」を行いながら耐性獲得(抵抗力ができて食べられる)を待つ治療が行われてきましたが、近年、積極的に食物抗原を負荷する「経口減感作療法」が注目されています。かかりつけ医に相談をしながら治療をすすめましょう。

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