- 健康
- 幼児(3~5歳)
- 小学生
専門家のアドバイス
3つの要素がそろったときに、むし歯はできます。まず「歯の質」、次に「むし歯を起こす細菌(ミュータンス)」、そして「細菌の栄養源(砂糖)」です。つまり歯の質が弱く、口の中にミュータンス菌がいっぱいいて、その栄養源となるチョコやキャラメルの食べかすがいっぱいあれば、むし歯になります。逆に歯の質が強く、ミュータンス菌の居場所がなく、細菌の居場所がなく、細菌の栄養源がなければむし歯にはなりません。
生えてきたばかりの歯は弱く、数年かけて唾液の中のカルシウムを取り入れ、徐々に強くなっていきます。逆にいうと、この数年間がもっともむし歯になりやすい時期といえます。また乳歯は、永久歯と基本的な構造は同じですが、歯の一番外側にあるエナメル質の厚さが永久歯の1/2と薄く、すぐに大きな穴があいたむし歯になってしまいます。しかし、こどもはむし歯に気づかないことが多いので、普段から子どものお口を観察するようにしましょう。
ジュースやイオン飲料を日常的に哺乳ビンで飲ませていると、上の前歯の歯と歯の間や歯と歯ぐきの境目が白っぽくなったり、むし歯が進行して前歯が溶けてなくなります。歯が白くなるのは、歯の表面が溶かされている証拠です。哺乳ビンの中は、ミルク以外は入れないようにしましょう。どうしても、哺乳ビンで飲ませるときは、できるだけ甘い飲み物が歯と接する時間が短くすることが大切です。
むし歯予防のためには、まず甘い物(砂糖の入っている物)を食べないことが大切です。そのためには小さい頃に甘い物をできるだけ与えないことです。「三つ子の魂百まで」といいますが、3歳前に甘い物の味を覚えると甘い物好きになるといわれています。砂糖の入った甘いお菓子(特にアメ、ガム、チョコレート、ジュース)はできるだけ3歳を過ぎてから食べさせるようにしてください。甘い物を食べるようになったら、食べる時間を決めて回数は1日2回以内にするのがむし歯予防のコツです。
それと、夜寝る前には、必ず歯みがきをしましょう。食後に歯みがきができないときは、うがいをすることも大切です。
また、栄養バランスの取れた食事や規則正しい食生活習慣を整えて、ダラダラとして間食をとらないことも予防につながります。
基本は、大人が仕上げ磨きをして、磨き残しのないようにしましょう。かかりつけの歯科医を持ち、定期的に歯科健診を受けるとよいでしょう。歯が白くなっているようなら一度、小児歯科医を訪ねましょう。
むし歯は、どうしてできるのでしょうか?乳歯はむし歯になりやすいのですか?むし歯を予防するにはどうしたらいいですか?長い間、哺乳ビンを使っていると虫歯になりますか?